競馬予想

データ

重賞レースになると、競馬新聞や専門誌には「過去10年のデータ」なるものが登場します。
実際、目にしたことがある人も多いと思います。

テレビの解説者や評論家、プロの予想家たちも、こうしたデータに言及してしまうことがあり、はなはだ滑稽であります。
たったの10回の試行のなかから偏りを抽出しても、それはたまたまです。データとは言いません。

たとえば、2013年のダービーで、やはりダービー過去10年のデータというものがありました。
そこには、過去10年の単勝1番人気の成績【6 0 1 3】とあり、単勝1番人気が強いと書いてあります。

なるほど、勝率60%はとんでもない数字です。
そして、現実でも単勝1番人気のキズナが優勝しました。

これでデータ通りに決まってすごいと思ってはいけません。
来年のダービーで、過去11年のデータとして紹介された場合、単勝1番人気の勝率は【7 0 1 3】となって、勝率はなんと63.6%です。

たった1回の試行で、3.6ポイントも上昇してしまいました。
3.6ポイントといったら、けっこうな数字です。

たとえばテレビの視聴率で3.6%ダウンしたとなったら、責任問題です。内閣支持率が3.6ポイント上昇したら、首相は喜色満面に会見を行うでしょう。

単勝1番人気の勝率は、ダービーに限らず31%です。
キズナは、31%の確率で勝利したにすぎないのです。

これで、来年のダービーで1番人気が過剰に売れるようであれば、個人的にははずして買いたいくらいです。
また、同じくダービー10年のデータで「前走皐月賞組の成績【7 3 6 61】で皐月賞組を上位に見る」とありましたが、当たり前です。

データでもなんでもありません。
しかも、7勝しているうちの4頭(ネオユニヴァース、ディープインパクト、メイショウサムソン、オルフェーヴル)が皐月賞を勝ち、 うち2頭(エイシンフラッシュ、ディープブリランテ)が皐月賞3着でした。

まがりなりにも皐月賞はG1です。
ほかのトライアルレース(京都新聞杯、青葉賞、プリンシパルS)より格上なのは当然で、皐月賞で好走した馬が弱いはずはありません。

皐月賞組が他を圧倒するのは、当然のことです。
同じ箇所には「【0 0 1 17】のプリンシパルS組は買えない」とありましたが、これも当たり前です。

重賞を勝ち上がってようやくたどり着いた皐月賞と、前走で未勝利戦を勝ち上がってきた馬も出走しているプリンシパルSでは、そもそもレースのレベルが違うのは当然です。

データでもなんでもありません。
こうした過去10年のデータの正しい見方は、「過去10年で2冠馬が4頭も出てるよ」とか、「そういえばロジユニヴァースもダービー馬だったんだよな」などといった 感傷にひたることでしかありません。

競馬には、こうした愚にもつかないデータがゴロゴロしています。
ほかにも「○○という種牡馬は○○のコースで激走する」というデータもよく見られますが、よくよく読んでみると「去年の成績が【4 3 3 1】だったから」などと書いてあります。 しかも、調べてみると、4勝のうち2勝は同じ馬だったというオチまでついています。これはたまたまです。

去年11頭中4頭が勝ち上がったからといって、その種牡馬がそのコースを得意にしているとはいえません。

こうしたデータを信じて馬券を買っていたら、間違いなく負けます。1回2回と的中することはあるでしょうが、トータル収支は間違いなくマイナスです。 ただし、競馬を楽しむためのデータとしては、とても重宝できます。忘れていた10年前を思い出すこともできます。

データとして使い物になるのは、相当数の母数が確保できたときです。競馬でいえば、たとえば年間すべてのレースを分析対象にしたデータといえます。 これなら、かなりのレース数になりますので、データとして役に立ちます。

具体的には、単勝人気別のデータや、オッズ別のデータです。
競馬場ごとに分けてしまうと、一気に母数が減ってしまいますので、その場合は過去5年、6年とデータを蓄積しないとなりません。

たとえば、単勝1番人気~単勝5番人気の勝率、連対率、複勝率を見てみましょう。
データ

このデータなら、どのレースにも当てはまります。
もちろん、これはごくごく簡単なデータですが、母数さえ確保できれば、ほかにもさまざまなデータを用意することができます。

しかしながら、じつはこのデータだけでは、あまり使い道がありません。
たとえば、単勝1番人気の平均オッズは2.4倍です。

そうなると、単勝1番人気の単勝を買ったときの回収率は、31.7%×2.4倍=76.1%となり、大幅にマイナスとなってしまうからです。

競馬には控除率というものがあり、単勝と複勝なら20%、ほかの馬券には25%の控除率が設定されています。
ですから、どの馬券を買っても、長い目で見ると回収率は75%~80%に収束してしまいます。

単勝の控除率が20%ですから、回収率は80%に収束するはずですが、実際は76.1%しかありません。
つまり、単勝1番人気だけを買い続けると損をしてしまいます。

ですから、さまざまな手法を用いて、単勝1番人気だけでなくほかの馬券を購入し、そして的中させていかないと収支はプラスにならないのです。

そのため、母数を確保しながらデータの偏りを見つけ出し、さらにファンダメンタルの予想ファクターを加味しながら、総合的に購入する馬券を判断し、 決定していかなければならないのです。

競馬は、突きつめれば突きつめるほど奥が深く、そして的中と収支のバランスをとっていくことは、とても難しいのです。

だからこそ、1つだけの予想ファクターに固執せずに、あらゆる手法を用いて的中馬券を導き出すことが、競馬で勝てる方法といえるのです。

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